世間は新型コロナウィルスの話題でもちきりの中でしたが、たくさんの方にお集まりいただき、無事終了いたしました。ご参加いただいた皆さまには感謝申し上げます。
東京より、武術研究家 甲野善紀先生をお招きしまして、以下の3部構成で開催しました。
◇完全個別指導(限定3名)
◇音楽家講座
◇懇親会&セッション
完全個別指導では、45分間の枠でそれぞれの方にあったアドバイスをいただきました。
身体の部分に紐を巻くことにより、肺活量が増えたり、動きが軽くなったりと、身体感が変わる不思議。
また、演奏により痛くるなる部分があり、これまで力を抜いて使わないようにしていたところが、実は積極的に使うべき部分であり、その使い方を適切に変えればよりよくなるのだ、という予想外のアドバイスに目から鱗が落ちた奏者。
胸のあたりに雨粒がぽつぽつ落ちるような感覚が出るように弦を弾くといいとか、自分は離れた場所から眺めて演奏はもう1人の自分に任せてしまえばいいなど、甲野先生から出る感覚的なことばはおもしろく、その事がよくわかるという方や、今はまだ分からないけどいつかこのことが腑に落ちるときがくるのかな、という方も。
演奏する姿をじっと観察して、ご自分の身体に奏者の動きを反映させたその感覚から出てくる即興性のあるアドバイス。長年の武術研究、身体研究の成果が裏打ちされた甲野先生ならではのご指導だと感じました。
また、「なぜかは分からないけど、こうなるんです」というご自身の身体感覚から導き出した結果に対して、理由や論理を求めない甲野先生の姿勢は、身体の働きを容易に解明できるものでない微細で深遠なものとして謙虚に真摯に捉えられているからでしょうか。
音楽家講座では、回文や早口言葉、紐の活用、かいな先(上腕骨内側上顆)を細かく回して弾く、などバラエティに富んだアドバイスがあり、さらには日本刀の真剣がとびだしやや騒然とする場面(笑)、のち「私も斬られたい」と熱望する女性たちが列に並び出すなど、、、
甲野先生が今回が初めてだとおっしゃった画家の方へのアドバイスもありました。また、音楽家ではないが先生の長年のファンで、何か技を体験したいという方へもお応えいただきました。
懇親会&セッションでは、絶品「ミヤモト惣菜店」さんの品数盛りだくさんなオードブルとNomadドライカレーでわきあいあい、思い思いの時間を過ごし、引き続き斬られる女性たち(もちろん、切れてません 笑、が、遊んでいるわけでもありません)、前のめりの姿勢で先生のお話を聞く方々、セッションではウクレレ×クラシックギター×ジャズウッドベースの異ジャンル弦トリオも良かったです。そして、最後まで居合わせたみなさんで集合写真をパチリ。
甲野先生の世界観はよくご存知の方にはとても心地のよい刺激であり、初めて出会う方にはなんとも不思議な新しい感覚であり、それぞれの方たちが同じ場でのひとときをとても楽しまれているようでした。
企画、進行役として、至らぬ点もありましたが、ご参加の皆さんのあたたかさと、そして何より甲野先生の懐の深さにすっかり甘えて、私自身もとても楽しくさせていただきました。ありがとうございました。
ここ高松での音楽家講座を二回、三回と継続できることを夢見ております。
回数を重ねるうちに、ひとつのアドバイスにも新しい発見があったり、さらなる疑問が出てきたりしてだんだんと理解が深まり技術になっていくものではないでしょうか。また、とどまる事なく日々進化を続ける甲野先生の最新に触れられる機会となるのではと思っております。夢の実現の助けをいただけますよう、ぜひみなさまのお声をお聞かせください。
音楽家講座の開講にあたり多くのご協力、ご助言をいただきました甲野善紀先生のアシスタント、平尾文さんに深く感謝いたします。
Nomad 國井真希